2025/11/27

両輪から融合へ。さらに一体化し、大学発展に力を尽くす
── 長谷川勉商学部長と山本裕二商学部校友会長が対談 ──

近年、商学部と商学部校友会の連携は一段と深まり、新たな取り組みが生まれています。その現状と今後の展望について、長谷川勉商学部長と山本裕二商学部校友会長が語り合いました。

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日本大学商学部長

長谷川 勉

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日本大学商学部
校友会長

山本 裕二

人的支援で深まる学部と商学部校友会との交流

山本 山本

商学部校友会のミッションは、まずは学生支援だと思います。金銭面においては、留学や成績優秀者、そして経済的に困窮している学生たちに奨学金を提供していますが、それだけに留まらず、懇談の場を設けることで、よりきめ細かく対応できるようにしています。

また、20代・30代前後のOBやOGがキャンパスに来て、学生たちと車座になって就職相談に応じる取り組みも行っており、学生の皆さんにも非常に喜んでいただいています。さらに、国家試験の資格取得支援での懇談会も好評です。

インゼミ大会では学生たちのプレゼンテーションスキルも高く、大変頼もしい限りですが、その審査員も校友会から派遣していますし、上場会社の役員などで活躍する卒業生を社会人講師として招き、講演なども実施しています。学生時代もそうですが、社会に出ると様々な困難が待ち構えています。それをどうやって克服するかを共有できる機会は、学生たちにとって価値があると考えています。

そういった人的支援だけではなく、歴史散歩や校友会懇親ゴルフなど、親睦を深める場も持つようにしています。有難いことに、今年の歴史散歩には学生たちが11人も参加してくれました。

長谷川 長谷川

最も大きいのは、先ほど会長がおっしゃったように、金銭的な貢献に加えて人的資源の提供です。人的資源には、商学部校友会のネットワークと、お一人お一人の経験や知識、知見の活用が挙げられると思います。

私が商学部校友会の方とお話しするようになったのは6年か7年ほど前ですが、私が就任する前までの3年間は資金的な支援が中心だったと記憶しています。その後の3年間は、学部との話し合いの場を持つことで、より一層商学部校友会にご活躍いただく場が増え、人的支援でその関係は深まったと感じております。その結果、毎年のように新しい取り組みが生まれました。この路線はぜひそのまま続けていただきたいと願っております。

たとえば今回の砧祭においては、日大砧マーケットをお手伝いいただきましたが、来年度はより多くの校友の方々にも参加していただきたいですし、社会人講師の派遣についてはぜひ倍増をお願いしたいと思っております。

働き方改革や健康寿命が伸びていることを考えると、今までよりも時間的余裕が生まれやすくなります。そういった中でぜひ校友会の方からお声がけいただき、学生たちにご自身の経験談を語っていただければと考えております。

また、商学部校友会が持っているネットワークと、大学の学生が持っているネットワークが繋がるような仕掛けが、これからは必要になると考えています。学生にはゼミナール連合会、あるいは学生連合会といった組織がありますが、コロナ禍を経て連携が以前のようにできていません。そういった現状を、お互いのネットワークを繋げることで改善できないかと思っております。

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OB・OGのパワーを社会で活用できる取り組みを

山本 山本

大学がその健全な発展・成長を遂げるためには、やはり卒業生の存在やパワーをどれだけ活かせるかが鍵になると考えています。一流の企業もOBやOGの絆を大事にしていますし、ある銀行では現役の頭取も出身大学の先輩が来ると頭を下げると伺っています。私はコンサル会社出身ですが、ここでも同じ大学のネットワークをマーケティングやセールスの武器として活用しています。しかし、残念ながら日本大学の場合はそういう動きや発想をあまり耳にしません。この点はどのようにお考えでしょうか。

長谷川 長谷川

1つの見本になるのが、商学部に設置した社会連携センターだと思います。そこでは「あきない塾」という学びの場を開講しています。その講座に来る方はリタイアされた方、それから現役の方など、さまざまな方がいらっしゃいます。「あきない塾」という名称を使っていますが、海外旅行に行きたいから英語を学び直したい、そろそろ終活を考えているので相続について勉強したい、あるいは商売での事業継承を教えてほしいといった、商学部の教員で対応できる内容が多いですし、対応できない場合は他学部に講師を依頼することも可能です。

この場を商学部校友会の方にも知っていただき、キャンパスに滞在していただく機会を増やすことが、遠回りのようでも卒業生の存在やパワーを活かすきっかけになるのではないでしょうか。他にもさまざまな動機で集まる仕組みをつくる必要があると思っていますが、個人情報が制限されている中ではなかなか難しい課題だとも感じています。

山本 山本

現実問題として、卒業生の交流は地方支部ではそれほど活発ではありません。商学部校友会は学生支援というミッションがありますので、交流も活発ではあります。今後は地方支部と各学部校友会の連携を進め、日大というネットワークがビジネス活動などに大きなインパクトを与える可能性があることを発信していきたいと思っております。

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より卒業生に必要とされる商学部校友会へ

山本 山本

そのためには、学生の段階から校友会に興味を持っていただくことが大事になります。卒業したらもう大学のことを忘れてしまい、校友会の存在すら知らない学生が圧倒的に多くいます。それを回避するには、校友会の認知度を高めていくことが課題になりますが、この点についてはいかがでしょうか。

長谷川 長谷川

歯が痛くなると歯医者の看板が目につき、わが子の成績で悩むようになれば塾の看板に目が行きます。人間は不思議なもので、必要に迫られるとそうしたものの認知が高まっていきます。しかし残念ながら、卒業生にとって校友会は必要とされていないのです。その意味で、卒業生に向けて何らかのサービスを考えてもよいのではないでしょうか。あくまで一例ですが、おそらく最もニーズがあるのは転職だと思います。現役で働いている卒業生にとって、仮に今転職を考えていなくても関心はあるのではないでしょうか。もう一つは生活です。現在、総務省の調査でも、生活面で誰に相談してよいかわからないという人が多いことがわかっています。そういった取り組みが認知度を高める一つの手段になる可能性はあると思います。それを校友会のホームページやSNSで発信していけば、さらに注目度は上がるかもしれません。

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山本 山本

そういう意味でいくと、商学部校友会のOB・OG訪問という企画は、学生と年代が近いため、学生の方は気楽に先輩と話ができています。今、学部長からご提案があった転職支援についても検討してまいります。

長谷川 長谷川

仕事の相談に乗る、その一歩手前でもよいと思います。ただ、定期的に決まった時間を設けると負担をかけてしまうのが心配です。

山本 山本

我々はこの砧キャンパスに思い入れがありますし、そこで今勉強している学生と会話することは喜びでもあります。ですから、そういう場を設けることで逆に積極的に動いてくれると思います。とにかく卒業生が元気に社会で活躍していればいるほど、学部の学生に刺激を与えられます。そういう意味でも、商学部と商学部校友会の交流は大学発展の両輪になると思っております。

長谷川 長谷川

同意見です。皆様にキャンパスに来ていただく機会も年々増えていますので、両輪というよりも融合であり、一体化しつつあるような感覚を持っています。今後も商学部の一部分として機能し、さらに活躍の場を広げていただければありがたいと思っております。また、その機会をご用意するのが学部側の仕事だと自覚しております。人口減少が続くこの国では、何より人的資源が貴重です。今後も商学部校友会の素晴らしい人的資源の提供に期待しております。

山本 山本

本日はありがとうございました。

商学部商業学科 1989年卒業
94年大学院商学研究科博士後期過程単位取得満期退学

日本大学商学部長

長谷川 勉

2012年年商学部教授。22年商学部長に就任。
専門は金融機関論。神奈川県出身。

大学院商学研究科 1975年修了

日本大学商学部校友会長

山本 裕二

大学院終了後に公認会計士としてアーサーアンダーセンに入社し、渡米。その後、国際自動車(株)取締役社長、(株)日興コーディアルグループ取締役、大林道路(株)社外監査役等を歴任。現在も各社の社外取締役として活躍。

長谷川勉商学部長と山本裕二商学部校友会長