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OB・OGインタビュー
2020/10/28
逆風を真正面から受けとめ、チャンスに変える
自社商品を通じて世界中の命を救いたい
経営学科 1981年卒業
フマキラー株式会社 代表取締役社長
大下 一明氏
Q 衛生薬品メーカーとして知られるフマキラー株式会社。そのトップとして最も大切にしていることは何でしょうか。
まずは「ひとの命を守る」。「ひとの暮らしを守る。」「ひとを育む環境を守る。」との経営理念に則った経営を心掛けています。
しかし、その理念を実践していく上で新型コロナウイルス発生という大変な事態を迎えました。コロナ禍で、春にはマスクと同じように消毒液などの需要も急騰し、十分な供給ができなくなったのです。そんな中、工場の社員が5月の連休中も出社し、必死に対応してくれました。この局面を何としても乗り越えようと頑張る姿に胸を打たれました。
Q 研修など社員の皆様には日頃からどのようなお話をされていますか。
私はよく「風を真正面から受けろ」と話しています。逆風もある。ピンチの風もある。しかし、真正面から受ければチャンスの風も見つけることができると思っています。
今、弊社の商品は世界各国で使われていますが、そのきっかけになったのは、1991年インドネシアへの進出時です。私は、フマキラーの殺虫剤は高い品質を持ち、世界のどの国でも効果を発揮すると思っていました。
しかし、インドネシアの蚊には十分に効かなかったのです。
この反省から、各国に合うよう成分の配合を変えるなど研究を進め、きめ細やかな対応を行いました。このように現実を真正面から受け止めたからこそ、世界で信頼される風も掴むことができたと思っています。
Q SDGsなどを含めて様々な企業や団体が今、地球的な視点に立って行動しています。御社はどのような取り組みに力を注いでいますか。
自社の商品提供を通して、多くの人命を救っていく。それが今できる世界貢献だと思っています。実は地球で最も人の生命を奪っている生き物は蚊です。今は感染症といえば新型コロナウイルスを浮かべますが、毎年70万を越える人々が、蚊の媒介するマラリアやテング熱などで命を落としています。そのために、より品質の高い殺虫剤を世界に届けていくことが使命だと捉えています。
Q 日大商学部時代で思い出に残っているのはどのようなことでしょうか。
桜商剣という名の剣道部に所属し、毎日のように練習に打ち込んでいました。そしてその後は、毎晩お酒です(笑)。上下関係が厳しく辛かったですが、振り返ればそれもまた楽しい思い出になっています。
また日大商学部には、ヨーロッパ研修旅行というプログラムがあり、参加させていただきました。そこで出会った1学年下の女性が今の妻です。私が卒業後も彼女が学ぶ砧のキャンパスに立ち寄り、学食で一緒に食事をしたことをよく覚えています。
大下氏と山本商学部校友会会長
Q 日大商学部校友会のメンバーとして良かったと思うのは、どのような時でしょうか。
剣道部主将から校友会の活動に誘っていただきました。その電話をいただいた瞬間、あの頃に戻り、二つ返事で「はい!承知しました!」と応えました。様々な行事に参加して感じるのは、仲間という意識です。初めて会っても商学部だとわかった瞬間に心が開きます。ですから、その想いを大切にし、今も交流を大切にしています。
Q 若い世代にどのような期待をお持ちでしょうか。
やはりチャレンジ精神を持ってほしいと思います。苦しいときにも自分を伸ばす風が必ずあります。コロナ禍も同じです。堂々と未来に向かって構える気概を持ってください。
フマキラー株式会社は明治7年創業、昭和25年に広島で設立された会社です。殺虫剤から始まり
家庭用品、園芸用品、業務用品へと事業領域を拡大。「日用品質」を企業スローガンとして、
日々の暮らしに相応しいクオリティ且つ使う人の立場に立ったモノづくりを徹底しています。
本社 〒101-8606
東京都千代田区神田美倉町11
TEL 03-3252-5941
今回インタビューで訪れたフマキラー本社の会議室。森のイラストが爽やかな室内デザインは、会議が明るくアイディアに溢れるようにと社内で手作りされたそうです。